今月の主題 注目されている感染症―Emerging Infectious Diseases
巻頭言
Emerging Infectious Diseasesとは
猪狩 淳
1
Jun IGARI
1
1順天堂大学医学部臨床病理学
pp.501-502
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903719
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- 文献概要
栄養状態や衛生環境の改善,予防接種の普及,抗菌化学療法やワクチン療法の進歩により,"感染症はもう恐くなくなった","感染症はもはや過去の病気"という認識に傾き,感染症は解決済みの疾患とされ,現在社会の人々は感染症に鈍感になっていた.
ところが最近になり,世界各国で新しい感染症が出現している.わが国でも1996年の夏,全国各地で集団発生が相次ぎ,社会問題にまでなった腸管出血性大腸菌(いわゆる病原大腸菌O 157)感染症が新しい感染症として注目された.そのほかにもクリプトスポリジウムによる集団下痢症,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染症が話題になった.
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