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子宮内膜表層に観察されるsurface syncytial changeの細胞像
渡辺 徹
1
,
江村 巌
1
,
須貝 美佳
1
,
内藤 真
2
1新潟大学医学部附属病院病理部
2新潟大学医学部第2病理
キーワード:
子宮内膜細胞診
,
surface syncytial change
,
コロジオンバック法
Keyword:
子宮内膜細胞診
,
surface syncytial change
,
コロジオンバック法
pp.461-463
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903711
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近年,子宮体癌が増加しており,今後さらに体癌の発見が増加すると考えられる.しかし,細胞診による子宮体癌の正診率はいまだ満足すべき状態にはない1,2).この原因の1つとして,子宮内膜にはいくつかの良性増殖性病変が存在することが考えられる3).細胞診で子宮内膜病変を正確に診断するためには,これら良性増殖性病変に由来する細胞の特徴を把握し,内膜増殖症や子宮体癌由来の細胞との鑑別点を明確にする必要があると考えた.われわれは,短時間のうちに変化してゆく子宮内膜の変化を理解するためには同時に採取・作製された細胞診標本と組織標本とを対比することが望ましいと考え,エンドサイトによる子宮内膜細胞診に坂東ら4)のによって紹介されたコロジオンバック法を併用して検討した.その結果,子宮内膜には高い頻度でsurface syncytialchange (SSC)が観察されることに気付いたので,SSC由来の細胞像について報告した5).
SSCは,内膜の被覆細胞層に形成される上皮性細胞の小さな増殖巣である(図1).背の低い立方状の細胞から成り,合胞状で重積しており,しばしば乳頭状に増殖していた.細胞間に好中球やリンパ球が浸潤する所見をまれならず認めた.細胞質は広く,エオジンに好染していた.多くの場合,核に大小不同はなく,癌や内膜増殖症との鑑別に苦慮することはなかった.しかし,乳頭状に増殖する細胞集団の中にはしばしば核の直径が15μmを超える大きな細胞も混在していた.
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