今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
皮膚糸状菌症 5.顕微鏡観察による形態学的特徴(続)
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
1帝京大学医真菌研究センター
pp.870-871
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902985
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前号で取り上げたTrichophyton rubrumとT.mentagrophytesに続いて,本号ではMicrospo-rum canis, M.gypseumおよびEpidermophytonfloccosumについて,属ならびに種レベルの同定に有用な形態学的特徴を解説する.Trichopyton属菌種が大分生子よりも小分生子を豊富に産生するのに対して,Microsporum属菌種では一般に大分生子産生のほうが優勢であり,Epidermo-phyton属菌種(E.floccosumが唯一の菌種)に至っては大分生子しかつくらない.したがってMi-crosporum,Epidermophyton両属菌種における最も重要な形態学的特徴は大分生子にみられ,これが菌種同定の最も有力な指標となる.以下に両属主要3菌種のスライド培養標本(コットンブルー染色)の光顕観察で得られる特徴的な所見を記す.
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