目でみる症例―検査結果から病態診断へ・27
LDH2の陰極側に過剰活性帯を伴った高LDH血症
戸沢 辰雄
1
Tatsuo TOZAWA
1
1兵庫医科大学中央臨床検査部
pp.345-348
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902413
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検査結果の判定
LDHアイソザイム電気泳動(セルロースアセテート膜)像とデンシトグラム(図1)では,第2レーンの患者血清で,正常位置に泳動する各LDHアイソザイムに加え,LDH2の陰極側に明白な過剰LDH活性帯(LDH2ex)を認める.これらのLDHアイソザイムの分画%は,LDH1が67%,LDH2が15%,LDH2exが10%, LDH3が5%,LDH4が2%,LDH5が1%と,LDH1の分画%は異常に高かった.なお,このLDH2exは真のLDHであることが確認された.この血清は溶血サンプルではなかったことから,このLDH2exは腫瘍由来であると判定した.
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