特集 ロボティクスと臨床検査
Ⅰ.総論
3.ロボティクスと検査業務
上杉 四郎
1
Shiro UESUGI
1
1秋田大学医学部臨床検査医学講座
pp.20-26
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901730
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システム化の必然性
臨床検査が診療各科の検査室や研究室から離れ,中央診療部門の施設として中央検査部で行われるようになってから半世紀を越えようとしている.この間に,臨床検査の診療における病態情報としての役割は飛躍的に発展し,その発展に対応して臨床検査機器は数々の技術革新を経て可能な限りの自動化を求めてきた.
第25回日本医師会臨床検査精度管理調査報告書資料1)から,参加施設の自動分析機器導入率の年次推移を図1に示した.これによれば,1979年を境に自動分析機器数が参加施設数を上回り,平成3年度の自動分析機器導入率は約160%にも達している.一方,総臨床検査件数も各施設ともに年々増加しており,秋田大学付属病院中央検査部における総検査件数は,開院年度を1.0とすると,10年後の昭和55年度で4.7倍となり,20年後の平成2年度では8.8倍と上昇した.また,総検査件数の約50%は臨床化学検査件数であり,総検体検査件数としては約99%を占めている.総検査件数に対する各検査部門別件数比率を図2に示した.
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