今月の主題 粘膜免疫と臨床検査
総説
分泌型IgA
小林 邦彦
1
Kunihiko KOBAYASHI
1
1北海道大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
分泌型IgA
,
リンパ球循環帰巣
,
感染防御
Keyword:
分泌型IgA
,
リンパ球循環帰巣
,
感染防御
pp.713-718
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901588
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粘膜表面には多量の分泌型IgAが常時分泌されている.この分子は局所の粘膜下の形質細胞で産生され粘膜細胞内を通過して粘膜外に分泌されたもので,多数の消化管内の微生物抗原に対する抗体活性を持つ.しかし,この抗体はIgGやIgMなどと異なり補体活性化や食細胞へのオプソニン化はほとんどない.この抗体の粘膜上での本質的な作用は抗原と結合後,分泌液とともに体外に排出することにあると考えられる.〔臨床検査37(7):713-718,1993〕
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