Coffee Break
優しい臨床検査とは
屋形 稔
1
1東新潟病院
pp.366
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901038
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昨年の暮れにある内科関係の会で作家遠藤周作氏の話を聴いた.万華鏡という題で,鏡を合わせた円筒を動かす度に中の模様が変化するような内容で面白かった.中でも医療側と患者側の抱えている心理情報をもっと積極的に交換すべきであるという論旨はかなり説得性のあるものであった.
この時も彼がたびたび著作の中に書いている尿検査のびんを持たされて沢山の人のいる廊下を歩かされたみじめな気持も出た.これなどは検査室だけではどうにもできぬ点もあろうが,患者の根抵にうごめく心理状態の理解できる医師や技師をつくることは,技術研修以上に重要なことかもしれない.
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