今月の主題 細胞接着因子
技術解説
ビトロネクチン
片山 政彦
1
,
日野 文嗣
1
,
矢追 義人
2
Masahiko KATAYAMA
1
,
Fumitsugu HINO
1
,
Yoshihito YAOI
2
1宝酒造(株)バイオ研究所 診断薬部門
2国立がんセンター研究所生物学部
キーワード:
ビトロネクチン
,
S―蛋白質
,
酵素免疫測定法
,
肝機能障害
,
播種性血管内凝固症候群
Keyword:
ビトロネクチン
,
S―蛋白質
,
酵素免疫測定法
,
肝機能障害
,
播種性血管内凝固症候群
pp.1739-1743
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900427
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ビトロネクチン(VN)は血漿中に存在する主要な細胞接着因子である.細胞のみならず,コラーゲン,ヘパリンといった物質,また多種の血液凝固調節因子に結合し,血管内での免疫系および凝固線溶系に関連していると考えられている.従来,主として自家調製の測定系にて,血漿中の変動が調査されてきたが,最近,モノクローナル抗体を用いたEIAキットが開発,市販されるようになり,種々の病態解析に広く臨床応用がなされるようになった.現在,肝疾患や血液凝固異常との関係や,動脈硬化症との関係が注目され始めている.本稿では,VNについての今までの構造・機能解析の結果を紹介しながら,測定技術とマーカーとなる疾患について話を展開する.
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