今月の特集 肥満と健康障害
扉
河合 昭人
1
1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部
pp.565
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203610
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肥満症の薬が,約30年ぶりに国内で販売開始となりました.脚光を浴びている肥満症ですが,肥満と肥満症では大きく意味が違っています.肥満は“太っている状態”を指す状態です.しかし,肥満と健康障害がある場合,それは単なる肥満ではなく肥満症と診断され,医学的な減量治療の対象となります.わが国では,BMIが35を超える高度肥満症患者は年々増加しており,基本は減量ですが,健康障害があると肥満症として薬物治療などの対象となります.「肥満症診療ガイドライン2022」が発刊されたことを受け,今一度,肥満症に対する知見をアップデートさせ臨床検査の重要性を確認してほしいと思います.
本特集では,肥満症の概念と疫学から解説し,各論として各種健康障害を項目立てしました.そして,内臓脂肪型肥満の概念にも触れることで「肥満症診療ガイドライン2022」での位置付けを確認していきます.
読者の方々の知識のブラッシュアップにつながれば幸いです.
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