今月の特集2 補体をめぐる話題
扉
山田 俊幸
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.49
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203499
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補体は自然免疫,獲得免疫に関与して生体防御に大きく寄与する一方,臨床的には炎症のプレイヤーとして傷害性に働くという観点で捉えられています.大きく3つの活性化経路があり,制御する因子を加えると30くらいの物質からなるファミリーを形成しています.そのような基礎的なことは勉強した記憶がありますが,臨床検査で測定されているのは血清補体価(CH50)とC3,C4タンパク量のセットで,これは何十年も変化しておらず,ともすると関心が薄れてきているのではと懸念します.
そこで今回,まず補体の基礎的重要性の再学習のための解説をいただき,次に検査につき,古典的なものから遺伝子解析を含む最新のものまで解説いただきました.そして補体の異常がもたらす注目の疾患を4つ紹介いただき,最後に,新規治療の話題を紹介いただきました.補体をみつめ直す機会になりましたら幸いです.
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