増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
2章 血球形態
自動血球分析装置による白血球分画と目視分画値の乖離
小笠原 洋治
1
1東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座
キーワード:
自動血球分析装置
,
目視法
,
白血球分画
,
フラグ
Keyword:
自動血球分析装置
,
目視法
,
白血球分画
,
フラグ
pp.1124-1127
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203116
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はじめに
自動血球分析装置での白血球分類機能は,界面活性剤による各種白血球の体積変化の違いから3種類(顆粒球・単球・リンパ球)に分類するものから始まり,その後,フローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)法を組み合わせることで5種類の白血球(好中球・好酸球・好塩基球・単球・リンパ球)に分類することができるようになった1).自動血球分析装置での白血球分画値は,その分析の迅速性から診療に不可欠な情報となっているが,5種類の正常白血球以外の異常細胞が出現している場合には,目視法との結果の乖離を認めることがあり,自動血球分析装置での結果が不正確になる状況について理解しておく必要がある.
本稿では自動血球分析装置での白血球分画測定原理と,目視法の結果との乖離要因について事例を通じて解説する.
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