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一般検査
尿沈渣検査でアデノウイルス感染症の評価はできますか?
井上 真由
1
1筑波大学附属病院検査部
pp.304-305
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202608
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はじめに
同種造血幹細胞移植(HSCT)後にはアデノウイルス(AdV)やBKウイルス(BKV)などによる出血性膀胱炎(HC)が発生する可能性がある.特にアデノウイルス性出血性膀胱炎(AdV-HC)の合併は致死的経過となりうるため,AdVを早期に検出する必要がある.
原因となるAdVは11型が多く,AdV-HCの診断は,肉眼的血尿の観察と,PCR法などでの尿中AdVの検出によってなされるが,PCR法は結果が出るのに時間を要し,いまだ薬事承認もされていない1).そこで,近年,保険収載され,かつ簡易的に検査できる尿沈渣検査でAdV感染を疑う細胞が検出できると報告され始めている2,3).
わが国におけるHSCT後の遅発性(前処置終了後10日以降)HCのAdVによる発症頻度は約10%と報告されており,HSCT後患者の尿沈渣中に以下の細胞を認めた際には,AdV感染細胞を疑い,鏡検する必要がある.
尿沈渣検査で,HSCT後患者のAdV感染細胞を見落とさず検出することは重要である.
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