Japanese
English
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査
臨床検査における質量分析法の可能性と落とし穴
Potential and pitfalls of mass spectrometry applied to laboratory tests
涌井 昌俊
1
,
中川 央充
2
1慶應義塾大学医学部臨床検査医学
2慶應義塾大学病院臨床検査科
キーワード:
質量分析法
,
MS
,
前処理
,
分離過程
,
イオン化過程
,
質量分析過程
Keyword:
質量分析法
,
MS
,
前処理
,
分離過程
,
イオン化過程
,
質量分析過程
pp.262-271
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202298
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Point
●質量分析法(MS)による測定系は,複数の分析技術の組み合わせによる集大成的な構成ゆえ多層的な原理特性を有し,それが臨床検査への導入におけるハードルの高さの一因となっている.
●MSによる測定系は,前処理過程,クロマトグラフィや電気泳動による分離過程,イオン源によるイオン化過程,質量分析過程,最終的なデータの取得過程から成立する.
●測定現場で実施できる質量分析計の改変・変更はごく限られているため,前処理過程,分離過程,最終的なデータの取得過程が測定系の開発や改良の主たる標的となる.
●多層的な原理特性に立脚して可能性と落とし穴を極めることが,臨床検査へのMSの導入のための王道かつ近道となる.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.