Japanese
English
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
8章 内分泌・代謝疾患
ADH分泌不適合症候群
Syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone(SIADH)
宮田 崇
1
,
有馬 寛
1
1名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学
pp.516-517
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201991
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
抗利尿ホルモン(ADH)分泌不適合症候群(SIADH)は,低浸透圧,低ナトリウム血症にもかかわらず,ADHであるアルギニンバソプレシン(AVP)の分泌が抑制されないため,腎尿細管での水の再吸収が亢進して水利尿不全による希釈性低ナトリウム血症を呈する疾患である.原因としては,中枢神経系疾患,肺疾患,異所性AVP産生腫瘍,薬剤がある.症状としては頭痛,悪心,嘔吐,意識障害,痙攣などの低ナトリウム血症に伴う症状が出現する.低ナトリウム血症が急速に発症した場合には早期に重篤な症状が出現するが,慢性の低ナトリウム血症では血清ナトリウム濃度が低値の割に症状は軽度にとどまる.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.