生理検査道場・3
—24時間自由行動下血圧測定①—判読手順と異常値メカニズム
成田 圭佑
1
,
江口 和男
2
1唐津赤十字病院循環器内科
2羽生総合病院内科
pp.856-860
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201680
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24時間自由行動下血圧測定の有用性
24時間自由行動下血圧測定(ambulatory blood pressure monitoring:ABPM)は,高血圧症の診断や夜間血圧,血圧日内変動の精査などを目的に用いられる.診察室血圧や家庭血圧では評価できない日中活動時の覚醒時血圧(昼間血圧)および夜間就寝中の睡眠時血圧(夜間血圧)を評価することが可能であり,高血圧の診断や病態の把握に有用である.
ABPMの主な適応として①白衣高血圧または仮面高血圧が疑われる場合,②夜間血圧の評価,③薬物治療抵抗性高血圧の評価,④降圧薬治療の評価(降圧作用の評価,または過降圧による起立性低血圧などを疑う症状がある場合),⑤血圧変動性(後述)の評価などが挙げられる.ABPMはわが国を含む各国の高血圧診療ガイドラインで推奨されており1),後述する早朝や夜間就寝中の血圧上昇や日内変動性の異常などは,脳卒中や心筋梗塞などといった心血管イベントの重要な危険因子とされている.
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