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書評 乳がん超音波検診—精査の要・不要,コツを伝授します
白井 秀明
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1札幌ことに乳腺クリニック統括管理部
pp.1426
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201433
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日々悩んでいる検診の現場が切望していた本
近年乳がん検診の必要性はメディアやピンクリボン運動などによって広く示され,その普及が進むにつれ,これまで行われてきたマンモグラフィのみでの検診に限界があることが指摘されており,超音波検査を併用した乳癌検診へ注目が集まっています.そのような中,実に良いタイミングで『乳がん超音波検診—精査の要・不要,コツを伝授します』が医学書院から出版されました.本書は,日々精密検査の可否に悩む検診の現場が切望していた本だといえるでしょう.
まず乳がん検診によって起こり得る利益と不利益より,超音波検査が果たす役割を示すことから,超音波検査が問題とされている病変の拾い過ぎ,いわゆる過剰診断を減らすことを目的とした内容になっています.特に「Ⅰ.検診についての10の基本」の中で述べられている「検診は癌による死亡を回避する手法であることは確かですが,一方このような過剰診断という不利益もあるということを検診に携わる医療者は真摯に受けとめ,また受診者である一般女性にも知って頂く必要があるでしょう」(p.7)という一文は,今日の併用検診が抱えている問題を鋭くついており,“あれば何でも拾っておけ”“わからないからとりあえず精査にしよう”という気持ちでは検診に臨めないことをよく指摘しているものと思います.
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