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書評 —記述式内膜細胞診報告様式に基づく—子宮内膜細胞診アトラス
青木 大輔
1
1慶大・産婦人科
pp.688
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200857
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形態学による子宮内膜細胞診のアプローチ
子宮内膜細胞診は非常に難しいと常々感じている.判定者間の再現性が高いとは言えず,世界的にみてもコンセンサスを得られた検査法としては確立されているとは言い難い.本書のイントロダクションにもあるように,日常的にこの検査を行っているのはほぼ日本のみであろう.その日本においても細胞診所見の判定基準に統一した見解を持ち得ていない.
現在,わが国では子宮内膜細胞診の所見についてどのように記載し判定していくか,どこまで統一見解を持ち得るものかを模索している.めざすべき方向としては,有意な所見とされるものの再現性や科学的な根拠があるかどうかを検証し,また内膜細胞診が子宮内膜癌の診断や検出にどのように寄与し得るか否かについても臨床的な取り扱いとともに科学的に検証することであるが,今回はそのプロセスの第一段階ともいうべき取り組みとして,たたき台となる最も重要な判定の枠組みの提示をしていただいた.
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