検査レポート作成指南・4
脳波検査編
丸田 雄一
1
,
藤井 正美
2
1山口大学医学部脳神経外科
2山口県周南健康福祉センター
pp.1554-1564
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200657
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1929年にハンス・ベルガーによって臨床応用された脳波検査は徐々に進化を遂げ,現在でも有用な検査法であり続けている.脳波検査は当初のペン書き脳波の時代を経て,1990年以降はデジタル脳波が普及し,検査法に革新的な恩恵をもたらしている.わが国では“ハイブリッド脳波計”と称して,デジタル脳波を電子媒体に保存しながら,同時に紙書き記録を判読用に提供できるシステムを用いる施設が主流であった.
しかし,現在はペーパーレスデジタル脳波計での記録が推奨されている.その理由として,①記録中に測定条件を変更する必要がなく,記録が簡単になること,②判読に際してモンタージュ・感度・フィルターが自在に変更でき,判読技能の向上や効率化につながること,③二次処理によって視察以上の検討が可能となったこと,が挙げられる.また,病院内のサーバーコンピューターに脳波データを入力すれば,どこからでも脳波を判読し,レポートを作成することが可能である.さらにビデオもデジタル化できるため,一緒に動画データも保存すれば,判読時に有用である.
本稿では,デジタル脳波の判読に適したレポートの作成について指南する.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.