増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔免疫血清検査〕
腫瘍マーカー,ホルモンなどの迅速検査—hCG,甲状腺関連ホルモンを中心に
阿部 正樹
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター中央検査部
pp.1241-1245
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200584
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はじめに
筆者自身の認識として,当直時の腫瘍マーカーやホルモン検査の必要性と実態が不明確であることから,実態調査を実施した.東京近郊を中心とした400床以上の総合病院の20施設にご協力いただいた結果,腫瘍マーカーの恒常的な当直時測定は1施設のみ,ホルモンに関してはhCG(human chorionic gonadotropin test)の実施施設が70%(14/20)うち3施設は定性のみ,FT3(free triiodothyronine)・FT4(free thyroxine)・甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone:TSH)をオンコールも含めた何らかのかたちで実施している施設が20%(4/20)となり,hCGを除いた腫瘍マーカーやホルモンの夜間測定が,いまだ一般的でないことが判明した.
本稿ではこれを踏まえて,hCGと甲状腺関連ホルモンについて簡単に触れ,それ以外の項目については測定時に影響を与える要因について解説する.
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