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増刊号 微生物検査 イエローページ
Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法
グラム陰性桿菌
エルシニア
Yersinia enterocolitica,Yersinia pseudotuberculosis
佐藤 智明
1
1東京大学医学部附属病院 感染制御部
pp.1326-1329
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200051
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菌の基本情報
1.性状と特徴
・通性嫌気性グラム陰性桿菌で腸内細菌科に属する.
・大きさは0.5〜0.8μm×1.0〜3.0μm,桿状または卵円形.
・他の腸内細菌科の菌と比較し発育が遅い.
・Yersinia属は現在11菌種に分類されているが,ヒトに下痢などの食中毒様症状の病原性を示すのはYersinia enterocoliticaおよびYersinia pseudotuberculosisである.
・0〜45℃で発育可能(冷蔵庫内でも発育)であり,至適発育温度は25〜28℃である.
・37℃で培養すると鞭毛が形成されないが,25℃で培養すると鞭毛が形成されて運動性が出てくるなど,増殖する温度により性状が大きく変化する.
・野ネズミなどの野生動物やウシ,ブタなどの家畜,イヌ,ネコなどのペットに存在し,ヒトへは食物汚染や保菌動物との接触により感染する人畜共通感染症である.
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