特集 はじめよう,検査説明
免疫
15 蛋白分画と免疫電気泳動でMGUSと言われたらどうすればよいですか?
堀内 裕紀
1
1順天堂大学臨床検査医学講座
pp.1320-1321
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103644
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1.MGUSとは
形質細胞の単クローン性増殖を示す形質細胞腫瘍とその関連疾患の多くは,M蛋白と呼ばれる単クローン性の異常免疫グロブリンを産生する.IMWGが2003年に発表した診断基準では,血清M蛋白量,骨髄での形質細胞比率,臓器障害の有無,腫瘤の有無などに基づいてこれらの疾患が分類されている(フローチャート)1).このうち意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)は,①血清M蛋白が3g/dL未満,②骨髄におけるクローナルな形質細胞比率が10%未満,③他のB細胞増殖性疾患(多発性骨髄腫,マクログロブリン血症,原発性アミロイドーシス,悪性リンパ腫など)が否定されること,④臓器障害がないことと定義されている.形質細胞腫瘍とその関連疾患の中で多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症などは悪性病態として,MGUSは良性,もしくはその前癌病態として捉えられている.MGUSは無症状でM蛋白以外の検査異常もほとんどないため,血清蛋白分画で偶然にM蛋白が発見されることが多く,50歳以上の3.2%,70歳以上の5.3%に認められる2).
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