今月の主題 歯科からみえる全身疾患
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ラクトフェリンによる口腔症状の緩和
玉置 幸道
1,2
,
北村 政昭
1,2
,
清水 友
1,2
,
安藤 邦雄
2
Yukimichi TAMAKI
1,2
,
Masaaki KITAMURA
1,2
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Yu SHIMIZU
1,2
,
Kunio ANDO
2
1昭和大学歯学部歯科理工学教室
2歯科ラクトフェリン研究会
キーワード:
ラクトフェリン
,
歯周疾患
,
口臭
Keyword:
ラクトフェリン
,
歯周疾患
,
口臭
pp.459-464
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101580
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1.ラクトフェリンとは何か?
ラクトフェリンは1939年に発見された,牛乳から単離された分子量約8万の糖蛋白質で,乳,涙など各種の分泌液および成熟好中球の顆粒に含まれている.特に,人の初乳はラクトフェリンを多量に含み,新生児は一日あたり7~10グラムのラクトフェリンを摂取している.個々の乳成分は単に栄養要求を充足するばかりでなく,多様な生理的機能性を持っている.哺乳類のなかで,人はラクトフェリンに対する依存度が非常に高いと推定される.
ラクトフェリンは表1に示すように免疫賦活作用1),抗炎症作用2),鎮痛作用3),抗菌活性4),発癌予防5),癌による血管新生阻害6),脂質代謝改善7)などの多種多能な機能を有することが明らかとなり,免疫的寛容を導入する作用,癌ならびに慢性炎症により誘導される血管新生を阻害する作用,内因性および外因性のμオピオイド効果を増幅する作用など,多様な面を併せ持つ多機能蛋白質である.
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