今月の主題 生体材料の取扱いと倫理
話題
医療の安全,検体・臓器の廃棄処分と倫理
堤 寛
1
Yutaka TSUTSUMI
1
1藤田保健衛生大学医学部第一病理学
キーワード:
ヘルシンキ宣言
,
リスクマネジメント
,
検体の所有権
,
廃棄物処理
Keyword:
ヘルシンキ宣言
,
リスクマネジメント
,
検体の所有権
,
廃棄物処理
pp.1524-1528
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101045
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1. ヘルシンキ宣言
医療の安全と倫理を考えるうえで忘れてはならない基本はヘルシンキ宣言にある.
ヘルシンキ宣言は,ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則であり,1964年6月にフィンランドの首都ヘルシンキで開催された第18回世界医師会総会で採択された.その後,数回の改訂がなされて現在に至っている(最終改訂は2002年10月).医学研究が対象で,必ずしも医療現場における倫理に言及されているわけではないものの,医師を医療者と読み替えれば,総論的な倫理的規範とみなすことができよう.
内容のすべてを転載することはしないが,全32項目のうち,医療の安全にかかわる項目を中心に紹介しよう(日本医師会訳)1).
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.