今月の主題 更年期障害と甲状腺ホルモン
巻頭言
更年期障害と甲状腺ホルモン
菅野 剛史
1
Takashi KANNO
1
1浜松市医療公社
pp.833-834
発行日 2004年8月15日
Published Date 2004/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100542
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更年期にみられるいろいろな症状は,基本的には卵巣の機能が成熟期から機能停止に至るまでの,主として性ホルモンの変動に起因するものであるが,一定の症状を示すものではなく,個人差があることはよく知られている.しかし,この変動期の症状は,単に性ホルモンの変動に限定されるものではない.この変動を抑えるためにホルモンの補充療法が行われるが,性ホルモンにのみ焦点を当てるのではなく,関連する内分泌臓器のすべてに目が向けられるべきである.その1つとして甲状腺ホルモンに注目したのが,本特集である.
「足りなくなったら補充すればいい」というのが基本で補充療法(hormone replacement therapy;HRT)は開始された.しかし,一筋縄では症状の改善はもたらされなかった.微妙なバランスの上に内分泌ホルモンの調整がなされていた.この特集は,そのなかの主要な相互関係を示す性ホルモンの変動と甲状腺ホルモンのバランスを取り上げたものである.
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