シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・4
確認分析・総論
福家 千昭
1
Chiaki FUKE
1
1琉球大学医学部法医学分野
キーワード:
薬毒物分析
,
確認分析法
,
前処理法
Keyword:
薬毒物分析
,
確認分析法
,
前処理法
pp.671-677
発行日 2005年6月15日
Published Date 2005/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100235
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
機器分析による確認ってなぜ必要なんですか?
例を示して説明することにします.薬毒物中毒の疑いで意識レベルが低下した患者さんが搬送されてきました.救急医より薬毒物分析の依頼があり,血清,尿,胃洗浄液が送られてきました.薬毒物検索のために各種迅速検査を行ったところ,TriageでTAC(三環系抗うつ薬)が陽性という結果を得ました.この患者さんは三環系抗うつ薬の何を飲んだのだろうか? その血液中濃度はどれくらいだろうか? 結果が臨床症状と一致するのだろうか? さらに詳細な情報を得るために分析機器を使って確認しよう.ということになるわけです(図1).
一般に,簡易検査法や迅速検査法により得られた結果は,その化合物や化合物群が含まれている可能性があるということを示しています.治療目的で医師の指示通り服用していても陽性となることもあります.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.