今月の主題 花粉症克服への展望
話題
花粉飛散の予測
村山 貢司
1
Kouji MURAYAMA
1
1財団法人気象業務支援センター
キーワード:
ダーラム法
,
日射量
,
休眠
Keyword:
ダーラム法
,
日射量
,
休眠
pp.215-220
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100032
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1.はじめに
わが国でスギやヒノキの花粉飛散数が観測されるようになったのが1965年,その後花粉症患者の増大に伴って,1980年代からは各地で花粉に対する情報が出されるようになり,現在は沖縄を除く各地で何らかの花粉情報が出されている.一方で,花粉の観測は,長年にわたって人間が顕微鏡で1個ずつ計測する方法が行われ,花粉観測者にとって大きな負担が続いていた.数年前からレーザー光を使って花粉を自動的に計測する機械が設置されるなど,花粉情報も新しいシステムへの移行が進んでいる.花粉の予測,情報は現在はダーラム法による観測によって行われているが,将来は自動計測器のデータを用いたものに変わることも考えられる.なお,スギやヒノキの花粉は,日本の林業の衰退や地球の温暖化によって今後さらに花粉数が増加する懸念が大きい.
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