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地図にない街(地区)の病院・その1
奥村 晴彦
1
1大阪社会医療センター付属病院
pp.883
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903834
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地図にない街(地区)
大阪西成“あいりん地区”は通称“釜ヶ崎”と呼ばれ,東京の山谷,横浜の寿町とともに日本の三大日雇い労働者街の頂点として,日本経済を底辺で支えてきたところである.しかし,世間では労働者の健全な街というより,ダーティーな印象が強く,商業地域に指定されているが,ドヤ(簡易宿泊所)が中心で昼間から道端で寝ていたり酒盛りをしている光景もよく見受けられる.
1961年8月に起こった暴動を契機に地区対策が実施され,1966年に大阪府・大阪市・府警本部の三者連絡協議会でイメージアップのため地区名を歴史的名称でない“あいりん”とし,1970年にあいりん総合センターが竣工され,公共職業安定所と西成労働福祉センターおよび大阪社会医療センター付属病院も設立されたわけである.“あいりん”とは隣人を愛するという意味から“愛隣”となったと言われている.
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