主張
長引く景気の停滞と病院経営
Y
pp.295
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903800
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景気の停滞が長引いている.政府による種々の景気浮揚対策にもかかわらず,一向に回復の兆しは見えてこない.民間の企業では役員賞与のカット,経費節減,在庫調整,配置転換,合理化等と企業経営の命運を賭けた大胆かつ強引なまでの対策が断行されている.それに比べると,医療業界は医療の変革期の真っただ中にあって“病院経営冬の時代”などと言われてはいるものの,その対応はまだまだ手緩いといった印象を免れない.
さて,人口の高齢化に伴って生じてきた疾病構造の変化によって,社会保険診療報酬体系には様々なほころびが目立つようになってきた.一方では,国民皆保険が達成された昭和30年代と比べると国民の生活レベルは格段に向上してきており,医療におけるアメニティを求める声も強くなりつつある.
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