特集 病院クリーン作戦
病院から出る廃棄物の処理—自家処理か委託処理か
古川 俊之
1
,
川畑 貞美
2
,
大塚 宣夫
3
Toshiyuki FURUKAWA
1
,
Sadami KAWAHATA
2
,
Nobuo OHTSUKA
3
1国立大阪病院
2順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院検査科
3医療法人社団慶成会青梅慶友病院
pp.230-236
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903741
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地域のなかで集約的処理を
今,なぜ病院の廃棄物処理問題か
廃棄物処理は大袈裟にいうといまや全地球的問題である.産業廃棄物は膨大な量で地表を覆う危機にあるばかりか,有害物質の隔離技術の有効性が疑われている.一方,生活廃棄物は繁栄のつけとなって,湖沼や海の汚染源として難問をわれわれに突き付けている.それでは医療廃棄物はどうか.病院は生活空間でもあるから生活廃棄物も当然出る.この分は一般市民の生活廃棄物と同じ過程で処理できる.特別に問題になるのは産業廃棄物,しかも有害廃棄物に分類される感染性廃棄物の処理である.
感染性廃棄物は『医療廃棄物処理ガイドライン』に記載されている.1992年春に施行が予定されている改正廃棄物処理法によって,厚生省としては感染性の特別管理廃棄物に関して,具体的な省令の整備が検討されている.ただしガイドラインについては医療機関のなかで若干の混乱があり,なお流動的で統一見解には至っていない.
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