特集 ゲノム時代と病院
ゲノム時代に求められる病院の対応
高田 史男
1,2
1ハーバード大学医学部小児科
2ボストン小児病院遺伝科
pp.1034-1040
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903429
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本年9月11日に起きたニューヨーク同時多発テロ事件はわれわれの記憶にまだ生々しいが,この惨劇の後,米国と英国は同様の飛行テロの再発に備え,苦渋の決断の声明を発表した.すなわちハイジャックされた民間旅客機が今回のように人口の密集した要所への墜落激突が不可避となった緊急時には,より大きな被害をもたらす最悪の事態を回避するためにその旅客機を軍により撃墜する方針を決定したのである.
この決定について本稿で何ごとかを論じようとするものではない.ただ,なぜか筆者はこの方針を聞いて,臨床遺伝学のある創作問題を思い出した.それは簡単に述べると以下のごとくである.
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