特集 検証・変革期の病院経営
検証・病院経営の現況と問題点—社団法人全国自治体病院協議会
根岸 勇夫
1
1社団法人全国自治体病院協議会事務局
pp.769-772
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903362
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現在,国・地方合わせて666兆円と見込まれる財政赤字を抱えるなど,非常に厳しい財政状況の中で,経済財政運営の構造改革に関する基本方針(「骨太の方針」)に持続可能な医療制度改革の方向として,医療費総額の伸びの抑制や医療サービスの効率化を図るための診療報酬体系の見直し,株式会社方式による病院経営,保険者と医療機関の直接契約などの取り組み方針が閣議決定された.また,2002年を目標とする高齢者医療制度の見直しのための医療保険制度の改革も急務になっているなど,今後の医療のあり方の根幹にかかわる課題が次々と提起されている.
このような厳しい経営環境の下,自治体病院は,これまで一般病院の他,地域における医療ニーズに応じ,他の医療機関では果たすことができない不採算医療を担うとともに,近年特に社会的要請の強い救急,がん,周産期などの高度・特殊・先駆的医療,ならびに精神,結核,感染症および老人医療,生活習慣病の予防を積極的に推進している.今後とも自治体立病院としての使命である良質な医療の提供と公共の福祉の増進を図っていくためには,その経営基盤をいっそう強固なものにしていくことが不可欠である.
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