連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第45回
民間病院2題
熱川温泉病院/真網代くじら病院
小林 眞人
1
,
丸野 道明
1
1KAJIMA DESIGN(鹿島・設計エンジニアリング総事業本部)
pp.645-652
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902457
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立地と病院の性格
伊豆の東海岸沿いには,あちこちに温泉が湧き出で,また,風光明媚な土地でもあるため,多くのリゾート温泉地が開かれている.熱海より約1時間ほど行った熱川は,その中でも屈指の温泉地である.病院敷地は,白い湯煙の立ち上る温泉櫓が林立する駅前から南に下った白田川沿いの明るい谷状平地にあり,南東には,真近に伊豆大島の浮かぶ相模湾が,また,北西の谷間奥には,天城の山並みがはるかに望まれる.
本病院は,健育会グループ(他に三つの病院や,いくつかの老人施設や診療所を運営している)の中核的な一翼を担う温泉利用のリハビリテーションに重点を置いた病院である.既存建物は,何度か増築に増築を重ね,その結果,蛸足状となっており,極めて使いにくい状況であり,また,老朽化も激しかった.
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