民間精神病院はいま—21世紀への展開・3
くじら病院—病床減から療養環境の向上を実現
上村 神一郎
1
1医療法人青峰会くじら病院
pp.369-372
発行日 1998年4月1日
Published Date 1998/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902390
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活動の実践と試み
医療法人青峰会くじら病院は,人口35,000人のみかんと水産業の第一次産業を主とする高齢化,過疎化の進む愛媛県八幡浜市にあり,市内に規模を同じくする医師会立の180床の単科精神病院がある.
診療圏は半径約70キロメートルの地域で,1959年1月,父弘光が八幡浜市双岩で開設,社会復帰活動については,父の代より大きな関心があり,1978年にはPSW (psychiatric social worker)を採用し訪問看護を開始しており,またそれまでに農耕作業を積極的に入院治療に取り入れている.父は,精神病院の開放化に,あまり興味がなかったようであるが,1981年以降筆者が父と共同で経営するようになり筆者の最大の関心事は開放化であり,そしてその後の病院のスリム化と在宅支援である.筆者は性格的に短気であり性急に結果を求めたがる傾向にあるが,1981年以降の17年間は,事故を起こさないように慎重に,常に前に前に走り続ける毎日だった.
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