保健・医療・福祉政策ウォッチング
単純化議論にご用心
病院問題研究会
pp.936-937
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902234
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医療保険の抜本改革議論が進行中である.厚生省が患者負担をさらに強化する(大学病院では5割負担!?)という内容の観測気球を打ち上げると,それに応えて与党が「国民生活や世論に配慮して」,より穏やかで現実的にみえる提案をして,コンセンサスを作っていこうという,田舎芝居形式で検討が進んでいるようである.
目下のところ,高齢者を対象とした独立した医療保障制度を作り,高齢者からも保険料を徴収する,といった案が軸になっている.引き続き各保険者からの拠出は継続するので,高齢者の自己負担を定額制から定率制に改めることと,高齢者からも保険料を徴収する点が現行老人保健制度と異なるのみで,基本的枠組は変化ないようにみえる.もちろんまだ検討途上であり,詳細は明らかになっていない.今後どう進行するかも未知数である.
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