特集 病院が医師を選ぶとき
勤務医の入れ替えと病院経営健全化—新たな日常性の構築「かわらなきゃ」
塩谷 泰一
1
1坂出市立病院
pp.905-909
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902226
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超高齢化社会を目前にして,医療提供体制の整備,医療保険制度の抜本的改革,医療・保健・福祉の包括化など,医療の枠組みは大きく変化し,情報化の進展や患者意識の高まりとあいまって,医療の質と透明性が求められる時代となった.このような潮流のなか,病院,特に住民の要請を受け設置・運営されている自治体病院は,地域住民が何を望み,自らは地域に何を提供し,何に貢献するのかという病院の存在意義を明確にして,良質で適正かつ効率的な医療の実現に向けて先導的役割を果たさなければならない.
たとえ公立病院であってもこれら公共性の発揮はもちろんのこと,経済性の確保は病院企業として不可欠である.地域医療の中核となっている病院の経営悪化は,その地域の医療水準の低下につながり,単に病院だけの問題にとどまらず,地域住民の損失となる.それゆえ,「経営の安定なくして良質な医療なし」という大原則を医師をはじめとした病院全職員に認識させ,経営参画意識を醸成することが必要である.
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