病院管理フォーラム 経営管理・1
新たな日常性の構築「かわらなきゃ」—職種別損益計算の試み(1)
塩谷 泰一
1
1総合病院坂出市立病院
pp.644-645
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902158
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たとえ公立病院であっても公共性の発揮はもちろんのこと,経済性の確保は病院企業として不可欠である.地域医療の中核となっている病院の経営悪化は,その地域の医療水準の低下につながり,単に病院だけの問題にとどまらず,地域住民の損失となる.それゆえ,「経営の安定なくして良質な医療なし」という大原則を病院全職員に認識させ,経営参画意識を醸成することが重要である.しかし,一般的に医業収益・費用で表される病院経営評価は,かなりの部分が「ドンブリ勘定」的であり,病院が直面する問題の本質の個別的・具体的・体系的な解決方法を示してくれない.
当院では,従来の経営評価における「ドンブリ勘定」的発想を改め,病院運営にかかわる様々な職種の経営への貢献度を共通の基準で評価し,日常業務の改善に役立て,「病院の発展へ向けて各部門が何をなすべきなのか」という行動指針,ひいては病院将来計画策定の重要な基礎資料を提供する一つの手段として,(社)病院管理研究協会専門調査役谷田一久氏の協力のもと,職種別損益計算を試みている.
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