医学ごよみ
9月—september 長月
木村 專太郎
1
1医療法人喜悦会那珂川病院
pp.871
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902218
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□9日 近代皮膚科学の祖
19世紀の中葉に,皮膚疾患に対して従来の体液病理説を排して,皮膚病の成因は局所刺激や寄生虫の付着によって起こるという新しい説を発表したヘブラ(Ferdinand von Hebra, 1816〜1880)が生まれた日である.彼は現在のチェコのモラヴィア(Moravia)のブリュン(BrUnn)に生まれた.1841年にウィーン大学の医学部を卒業し,当時の著名な病理学者ロキタンスキー(Karl Rokitam-sky, 1804〜1878)に師事した.ロキタンスキーの病理学から新しい皮膚疾患の成因などの分類のヒントを得たという.後にウィーン大学の皮膚科学教授に就任し,ウィーン学派の創立者の1人でもある.
彼は1845年に最初に彼の新しい分類法を発表し,多くの医家が新分類法を認めた.この基本的分類法は現在の皮膚科学においても踏襲されているという.1860年に出版した皮膚科学教科書(Lehrbuch der Haut-krankheiten)は現在でも名著と讃えられている.
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