「医療施設近代化施設整備事業」による病院の建て替え
三枝病院
三枝 一雄
1
1医療法人社団三友会三枝病院
pp.844-845
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902212
- 有料閲覧
- 文献概要
病院建て替えに至る背景
三枝病院は1968年9月千葉県富津市に21床の個人病院として出発した.3年後に2階を増築して36床となったが,それ以後は沈黙していた.厳しい医療経済環境にあって増改築のめどが立たなかったのと筆者が開業医として実子がなく後継者の期待も持たなかったからである.筆者はやがてモラロジーという人間学に目覚め,診療一筋から社会の道徳活動に熱心になると次第に運命が変わってきた.よい事務長,よい後継者が現れ病院の継続を考えるようになったのである.地域は30年の間に大きく変わり,創立のころは病院の前から海が近くにみえたのに,埋め立てによって工業地帯となった.病院のすぐ前に南房総最大級の「ジャスコ」ができて,田んぼは住宅地になった.さらに東京湾に横断橋がかかる時代となった.後継者となった倅は学位を取得して結婚,そろそろ勤務医を辞めて三枝病院の副院長に収まってもいい年ごろとなった.しかし老朽化した親父の病院に連れ戻すのは気の毒だと思うものの,近代化するだけの資金がない.いくらなんでも少しは手直しをしなければと思案をしていたときに,ふと近代化設備事業の募集が目にとまったのである.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.