医療の質の評価と改善 組組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・3
医療施設の機能評価(1)—背景と基本概念
今中 雄一
1
1九州大学大学院医学系研究科医療システム学教室
pp.1070-1073
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901965
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医療機能評価の経緯——今なぜ第三者評価か
医療施設の評価が行われるようになってきているのは国際的な流れであり,いずれの国でも,医療施設の機能や質に関する情報開示や,医療費高騰の抑制の上で質を保証し向上させようという社会的,財政的な動機に基づいているといえよう.
医療の評価を行う主体として,当事者である提供者や受療者ではない第三者による評価の妥当性や有効性については,その評価の客観性および専門性という点から期待が高まっている.その第三者評価の典型的な一形態は,複数の専門評価者が病院を訪れ,病院の管理的立場にある人間や第一線のスタッフとの面接や,医療現場の観察などから多角的に収集した情報から評価するものである.
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