厚生行政展望
医療保険改革のプログラム
厚生行政研究会
pp.772-773
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901890
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はじめに
国会終了後の6月21日,医療保険制度の改革を検討している医療保険審議会が第二次報告書を発表した.11月ごろには最終報告がまとめられる予定であるが,内容は刺激的なものが多く,今後,議論を呼ぶことになる.発表された報告の背景と概要は図のようにまとめられている.議論されているキーワードを整理してみると以下のようになる.社会保障と国民経済の相互作用の中で租税負担と社会保障負担とを合わせた国民負担率(対国民所得)を50%未満にする必要がある.しかし,経済の低成長により保険料収入が減少し,医療保険財政が赤字構造に陥っており,保険料の引き上げは厳しい状況にある.そこで,医療提供体制の見直し(保険医定年制・定数制),患者負担の見直し(給付率,薬剤給付範囲),診療報酬体系の見直しなどを検討項目とする改革が必要である.今回は各項目の主なものについて議論を深めることとする.
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