病院経営の新しい指標
病院の新しい経営指標
梅里 良正
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.88-91
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901708
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はじめに
医療に対する社会的ニーズは大きな変化をみせており,これに伴い,医療施設も大きな再編の時代を迎えつつある.ニーズの変化は大別すると,人口の高齢化による高齢者の保健・医療・福祉ニーズの量的な増大と,国民の生活水準や医療に対する考え方の変化に伴い,医療提供サービスの質に対する要求水準が上昇したことの2点として捉えることができる.したがって,これらの変化に適切に対応し,病院としての経営目的を達成していくためには,常に自院の医療提供の現状を把握し,その問題点の改善を行い,再びその結果の評価を行うという経営サイクルを,院内に確立していくことが重要である.さらに,社会や地域の保健・医療・福祉ニーズを定期的に把握し,院内の経営サイクルへの影響を,経営方針として取り込んでいく姿勢も求められよう.
このような病院の経営管理の必要性は,なにも今に始まったことではなく,その内容に違いこそあれ,すでになんらかの形で取り組んでいる病院がほとんどと言ってよいかも知れない.しかしながら,その取り組みのレベルや手法は病院によりまちまちであり,また努力の割に役立っ情報が得られないと感じられている病院経営者も多いのではないだろうか.
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