てい談 医療の座標軸を探る・2
医療保険制度を検討する
塙 正男
1
,
河北 博文
2,3
,
今井 澄
4
1特定医療法人新都市医療研究会関越病院
2特定医療法人河北総合病院
3社団法人日本病院会
4参議院
pp.165-170
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901164
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□制度と社会とのギャップ
塙 医療に対する患者の要求はすごくわがままなわけです.それは,移植の例でもわかるように,自分の子供だけは,自分の親だけは助けたいといったように.要求としてはそういうレベルで絶対出てくるわけです.これを社会的にどうまとめるかというレベルで考えないといけない.ジャーナリスティックなレベルでは,子供が死ねば,かわいそうだとか,お涙頂戴レベルの悲しい物語が必ず書けます,個人の人生には物語が必ずありますから.
ところが組織医療をどう考えるかになると,それとは必ずしも一致しません.人の生命は地球より重い,といったフレーズを振り回して何とか息をつないできたけれど,日本社会はもうそれを許さないのではないでしょうか.
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