特集 完全週休2日制をめざして
週休2日制—われわれの経験
西能 正一郎
1
Shoichiro SAINOH
1
1医療法人財団五省会西能病院
pp.833-838
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900748
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アプローチ
富山市医師会報第24号,昭和47年11月20日号より引用「週休2日制」
お蔭様で今年の春で開業10年になりました.昼の間は医長の仕事,夜になったら社長の仕事と,目先の仕事に追いまわされて,世の中の動きもわからないまま夢の様な10年でありました.ようやくドルショックに始まる経済の変動に気付いてみますと,いつのまにか日本国は全世界からうらまれるようなお金持ちの国になっていました.二宮尊徳翁の生きかたが生活信条であった日本人から,働き過ぎない日本人に切換えねばならないと,政府も本気で考えているようです.その結果,週1回の休日さえ気兼ねしながら休ませてもらっていたわれわれにも,週休2日制なる言葉がいささか気になる御時世となりました.病気に休日はありません.その地域医療を担当するわれわれお医者には道義下上から言っても7日のうち2日も休むことはとても考えられません.しかし,医師であるわれわれが使命感に燃えて連日患者さんのために働くことに生き甲斐を感じたとしても,職員諸君には果たして他の企業で2日もらっている休日を返上してでも医師につきあってくれることを期待出来る時代でありましょうか.
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