グラフ
難治性がん診療・研究の拠点—緩和ケア病棟も併設して国立がんセンター東病院が始動
pp.965-970
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900218
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前号の「国立南和歌山病院」に引き続き,国立医療施設統合の第1号として動きはじめた「国立がんセンター東病院」(阿部薫院長)を紹介する.
国立がんセンター東病院は都心から30km,首都圏のベッドタウンとして人口が増えつづけている下葉県柏市に位置している.常磐高速道路の柏インターを出て5分の距離にあり,車の渋滞のない深夜などは,築地の国立がんセンターから首都高速,常磐高速と乗り継いでほぼ30分で東病院に到着する.広大な米軍柏通信基地跡地に設立されただけあって敷地面積は約8万m2と,病院敷地の狭隘化に悩む都心の病院経営者にはうらやましいくらいの広さ.しかも同じく基地跡地を利用して現在千葉県が造成中の「柏の葉公園」(1995年完成時45万m2)に隣接しており,今日都市生活者にとっては最も贅沢なアメニティである自然にも恵まれている.病院設計ではこの環境をうまく利川して,最上階の9階には患者のための展望風呂を設けるなど,ちょっとした遊び心も加味された.自然の採光と空間を生かしたエントランスホールをはじめ,全体的にゆったりとしたスペース配分がなされており,これまで機能一点張りで来た国立病院のイメージを覆そうとする意欲が感じられる.
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