事例 医療施設間連携
海津郡医師会病院—開院後1年9カ月目の現況
鬼束 惇義
1
Atsuyoshi ONITSUKA
1
1海津郡医師会病院
pp.836-839
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900188
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病院設立の経緯
海津郡は岐阜県の南西部にあり,海津町,南濃町,平田町の3町からなる人口約42,000人の地域である.揖斐川,長良川,木曽川の3川が合流するところであり,愛知県,三重県と隣接している(図1).郡内には19の医療機関があったが,そのうち病院は産婦人科および精神科があるのみで,当地域の2次医療は郡外,県外の病院に依存せざるをえない状態であった.住民の意識調査では病院設置希望が毎年第1位であり,地域に病院を設立することは地域住民の永年の要望であった.昭和53年に海津郡医師会と3町長が病院設立について検討し,医師会病院構想が持ち上がった.そんな中,複数の企業から郡内に病院敷地の斡旋を行政側に求める事態も生じた.昭和56年4月より20名の医師会員全員により病院建設資金の積み立てを始め,医師会病院設立構想は2次医療圏策定などで加速度をつけて具体化した.昭和60年8月に医師会に病院建設委員会が発足し,土地取得をはじめ,全国各地の医師会病院の見学,病院運営の研究などを行って来た.病院設立までの過程は決して平担なものではなかったが,紆余曲折を経て平成2年7月2日,社団法人海津郡医師会病院(以下当病院)が開院の運びとなった.
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