MSWの相談窓口から
患者と障害者のあいだ
沼尻 香代子
1
Kayoko NUMAJIRI
1
1東京厚生年金病院医療社会事業部
pp.762
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900172
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病院は,患者が障害者として退院するか,病人として退院するかの岐路である.患者は病院に入院したのだから治るものと思っている.しかし,症状固定という診断のもと,退院を余儀なくされる場合がある.つまり治療効果が上がらず,ある状態のまま変化の望めない時に用いられる語が,症状固定である.その状態は各科で見られるが,とりわけ深刻なのが,歩行障害や住宅問題を伴ってくる片麻痺や対麻痺,四肢麻痺を生じる疾患にある患者たちである.
医師から“症状固定”だから治療は終了,退院または転院等と言われ説明がなされたとしても,患者や家族は困惑し,悲嘆し,衝撃に戦く.そうした状況でソーシャルワーカーは,患者と障害者のあいだにある病人に出会うことになる.
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