連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・44
テナントとして入っている売店・自販機コーナーの明け渡し
小林 京子
1
1弁護士法人 色川法律事務所
pp.982-986
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212281
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■1 借地借家法の適用の有無(Q①,Q②)
モノや場所を有償で貸す場合には,契約書のほか民法の賃貸借契約に関する条文が適用されますが,貸す対象が「建物」である場合には,さらに,民法の特別法である借地借家法が適用されます★2.
借地借家法は土地や建物の借主保護を主眼とする法律ですので,貸主が賃貸借契約を終了させる場面では,一定の条件(同法が定めた条件)を満たさない限り契約終了が認められません.
売店区画はわずか8m2に過ぎませんが,借地借家法が適用されるのでしょうか.この点につき,過去の最高裁判決では,たとえ建物の一部であっても,障壁その他によって他の部分と区画されて独占的排他的支配が可能な構造・規模であるものは,借家法★3にいう「建物」に当たると解するとされています★4
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