連載 ケースレポート
地域医療構想と病院・54
地方都市における地域包括ケアシステムのモデル事例—一般社団法人慈恵会(青森市)
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.726-732
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211998
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■法人の概要
今回取り上げる一般社団法人慈恵会は青森県青森市を中心に病院・老人保健施設,介護事業所などの医療・介護・ヘルスケア事業を幅広く展開している1).図1は慈恵会とその関連組織を示したものである.慈恵会の中核施設は青森慈恵会病院で,一般病床84床,回復期リハビリテーション病棟96床,地域包括ケア病棟48床,緩和ケア病棟22床,認知症病棟82床のケアミックス病院である.
同病院の急性期機能の中核は整形外科で,院長である丹野雅彦氏のリーダーシップのもと,青森県下で最多の股関節骨折の手術を行っている.2020年の整形外科領域の診療実績を表1に示した2).整形外科領域の術後患者や脳血管障害,心不全等でリハビリテーションが必要な患者は回復期リハビリテーション病棟(病棟基準1)で対応し,その後通所や在宅での介護,あるいは施設介護が必要な患者についても法人および関連の組織で継続的なサービスが提供できる体系となっている.ただし,法人内に利用者を囲い込むのではなく,地域の他の医療機関や介護事業者との連携にも力を入れており,法人の地域連携室の職員は精力的に地域の関係者を訪問し,連携関係の強化に努めている.
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