特集 生き残りをかけた病院の事業連携・統合—多様化する手法
連携推進法人
—【社会福祉連携推進法人の事例】—全ての壁を超える
山田 尋志
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1社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋
キーワード:
中小社会福祉法人共同による人材育成・確保
,
地域に密着した介護拠点の創出
,
法人連携によるケア付きコミュニティ
,
経営と地域づくりの両立
,
参加法人の独立性を担保した経営の大規模化
Keyword:
中小社会福祉法人共同による人材育成・確保
,
地域に密着した介護拠点の創出
,
法人連携によるケア付きコミュニティ
,
経営と地域づくりの両立
,
参加法人の独立性を担保した経営の大規模化
pp.434-437
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211929
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■社会福祉連携推進法人制度の創設と意義
2000年前後に社会福祉基礎構造改革が行われ,それまでの措置制度下における困窮者支援から,誰もが福祉サービスを享受できるサービスの普遍化の流れに移行した.具体的にはサービス理念の転換,多様な経営主体の参入などが推進され,社会福祉法人にも「経営」が求められる契機となった(社会福祉法第2条第1項).その結果,2017年度における介護・障害分野における社会福祉法人のシェアは20%台まで低下している.一方,2016年の社会福祉法改正では社会福祉法人の「地域における公益的な取組」が記載され「公益的・公共的」な責務が明文化された(社会福祉法第24条第2項).
現在約2万1,000の社会福祉法人が存在するが,収益3億円未満が54%,5億円未満が71%,10億円未満が88%と小規模法人が多数を占めている.このような社会福祉法人を取り巻く環境が変化する中で,地域社会のインフラとして欠かせない存在である社会福祉法人が一定の経営の大規模化を推進することによる効果を期待して2020年6月に社会福祉連携推進法人制度が創設された.社会福祉連携推進法人制度は2022年4月に施行されたが,その認可要件として6つの業務のいずれかを行うことなどいくつかの要件が定められている(図1).
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