連載 これからの病院経営の考え方・9
付加価値率と関連する生産性指標
小松本 悟
1
1足利赤十字病院
pp.158-161
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211622
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■はじめに
医療経営の目標は,医療の付加価値の増大であると筆者は考えている.そのため,われわれ医療機関は,質の高い医療を患者に提供することが重要である.われわれは社会から,医療の質を担保しつつ,その継続性が問われるのである.何より,提供した医療サービスを,患者に満足してもらわなければならない.患者が治療効果に満足し,感謝して帰ることによって,目に見えない付加価値が生まれるのである.お金で表せない社会的付加価値が大切であり,健全な病院経営の継続がその創生につながることを知ってほしい.そしてその効果としてお金で表せる付加価値額が継続的に生まれてくるのである.この事実を多くの職員が認識しなくてはならない.
DPC(診断群分類別包括評価)ではアウトカム評価が求められることになり,医療資源などの投入,すなわちインプットではなくアウトカムが問われることとなった.アウトカム評価には,平均在院日数,病床稼働率などの臨床的アウトカムと,ADL(日常生活動作),感染率,再入院率,死亡率などの機能的アウトカムがある.それらのアウトカムはDPCの中で機能評価係数Ⅱに反映されるようになった.
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